文芸春秋オピニオンにて、作家の澤田瞳子氏の江戸絵画への注目の高まりについての記事を読んだ。文中に、完成している江戸絵画作品の中からキャラクターやデザイン、ストーリーを抽出する新しいながれがあるとのことだが、これは私自身も実感している。そして、この流行は江戸絵画に限ったことではない。トスカナ芸術作品群は新たな作品にデザインとしてコラージュされ、古いヒット曲のドープなイントロは新しい楽曲に織り込まれている。こうした手法は新鮮さの中にクラシックを見出させ、新しい作風への足掛かりを与える非常に合理的なものであることは言うまでもない。しかし、時代をこえても埋もれないマスターピースにあやかっている点で素人的な印象もある。しかもこうしたマスターピースの多くは著作権のしがらみがない。資本主義社会においてなんとも都合の良い素材である。